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今こそ円安を利用して国内製造回帰へ

「円安の続行。今こそ円安を利用して国内製造へ回帰するとき。日本の製造企業を応援したい。」 日銀オペでの介入が続いていますが継続的なインパクトは見られず、引き続き円安が続行中です。なかには円安はこのまま160~170円レンジまで進むと見るストラテジストもいます。極端な円安・円高は好ましくありません。一方で円安に対して日本企業の約半数が否定的なコメントを寄せる集計もあるなかで、円安はデメリットばかりではないということに注目したいところです。 今後さらに円安が進むと見られていますが、これが日本の本来の「実力」なのかもしれないと考えたりします。そもそも今まで円は高く評価されすぎて来たのでは?ということです。これまで海外勢が高くて買えなかった日本製品。中国製など安い汎用品に消費が流れていました。でも今なら円安の恩恵を受け高品質な商品をリーズナブルに買うことができる。引用したリンクは越境e-コマースの取引高が円安以降大幅に伸びていると説明しています。日本の製造業にとって円安の今こそ、製造拠点やリソースを国内に戻し、空洞化が進んだ「失われた30年」を取り戻すチャンスなのではないでしょうか。日本企業には円安の恩恵を利用するようなしなやかな経営戦略で頑張ってもらいたいと思います。 弊社は日本企業と伴走しながら海外のバリュー投資家向けに貴社の本来の企業価値を伝えるIR支援を提供しています。(大石) 歴史的円安、企業に明暗 輸出に恩恵、内需は打撃(出所:Jijiドットコム) https://www.jiji.com/jc/article?k=2022102600748&g=eco 円安メリットを活かせるか 中小企業の「越境EC」に注目 (出所:Yahooニュース) https://news.yahoo.co.jp/byline/yamaguchikenta/20221017-00319923 Japan to curb electricity costs amid weak yen, recession risks, PM says (Reuter news, Source: Investing.com) https://www.investing.com/news/economy/important-for-japan-to-link-weak-yen-to-tourism-recovery-pm-kishida-says-2905235 Japan's cross-border e-commerce booms on cheaper yen (Nikkei news, Source FMT) https://www.freemalaysiatoday.com/category/business/2022/10/27/japans-cross-border-e-commerce-booms-on-cheaper-yen/

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企業格付、ESGランキングでは何をどのように計測しているのか

「企業格付、ESGランキングでは何をどのように『計測』しているのかを考えたことがありますか?」 こちらは提携パートナーのTBLIグループの動画です。 ”What is TBLI Better World Prize and how will help stop Greenwashing?” 投資家がESG投資を行うにあたり信頼できる計測システムは本当にあるのか?あるとすればどのシステムが最も理にかなっているのか?投資家やESGコミュニティー関係者に投票してもらう主旨の動画です。このアンチテーゼによって、投資家や企業は従来の格付やESGランキングの本当の意義は何なのかを考えずには居られないでしょう。企業分析において世界にはいくつもの会計基準、価値認識基準が存在します。果たしてそれらは企業価値や成長性を公平にあらわしていると言えるでしょうか。世界的石油会社の長期債の格付が最上位のAAAから1段階下げたAA-(ダブルAマイナス。マイナス=弱含み。)だったり、後を絶たないグリーンウォッシュのニュースを見れば答えは明らかです。投資家にとってクリーンな投資先の選別のためには、透明性・公平性の高い計測システムが必須ということになります。 東証のプライム市場への移行にともない日本企業の経営陣はESG開示の「ベストアンサー」を模索しています。 ここで弊社が提案したいのは、既存の格付やESGランキングとは別に「自社の進捗率の開示を定点観測的に行う」ことです。(例:去年から改善した点や変化率を示すこと。)大企業のように潤沢なリソースがない中小規模の企業にもこれならすぐに実践できるはず。その際に指針となる資料があります。Dr.ケンダール博士が率いるFuture Fitというデータサイエンティスト集団が作成したビジネスベンチマークです。ありがたい事に日本語のガイドブックに実践例などが掲載されていて、リンクから無料でダウンロードすることができます。 「Future-Fit ビジネス・ベンチマーク」の基礎と特長」 (出所:BUSINESS CONSULTANTS, INC. https://www.bcon.jp/column/list/future-fit_basics-features/ Future Fit Co-Founder & CEO Dr. Geoff Kendall https://futurefitbusiness.org/our-people/dr-geoff-kendall/ IR担当者からESG開示と言われても「雲を掴むような話に思えて何から始めたら良いか判らない」というご相談を受けることがあります。そんなときは既存のものさしから一旦離れて、自社の企業価値を計るときに何をどのように計測したら投資家に賛同してもらえるか、ということから社内での議論をスタートさせるのはいかがでしょうか。私はそれぞれの企業が独自のやり方で投資家に進捗の開示をすれば良いと思います。なぜなら投資家も既存の格付けやランキングを鵜呑みに出来ない事はすでに理解しているからです。(大石) 投資家へのアクセスについてお困りの際は弊社にご相談ください。 *弊社はTBLIグループの日本における包括パートナーです。

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円安のメリットを最大限に。積み上がったキャッシュの使途は明確に。

「円安のメリットを最大限に使えば日本国のバランスシートを効率的にエンジニアリングできる。上場企業にも同じ発想が当てはまります」 本日ドルー円レートが一時145円を付けたとの速報が入ってきました。 午後3時のドルは一時145円台、24年ぶり円安水準 日銀緩和維持で(出所:ロイター) https://jp.reuters.com/article/tokyo-forex-idJPKBN2QN0CL 日本経済が回復しないのは円安とデフレが原因、とマスコミやTV番組は「解説」をしています。果たして本当にそうなのかと調べてみると、マスコミの報道は必ずしも正しくはないと判ります。6月17日のブログでデフレ下にも関わらず実際には年率GDPが上昇していることを書きました。以下の統計を見ても、日本は前回調査の0.6%から1.6%に上昇しています。 GDP Annual Rate Growth for G20 (Source: TRADING ECONOMICS) https://tradingeconomics.com/country-list/gdp-annual-growth-rate ところで日本の米国債の保有高は世界1位ということをご存じでしょうか。2022年5月時点で日本の米国債保有額は1兆1,396億ドルで、米国債全体の17.51%を占めます。(Source: Treasury International Capital, US Treasury Department 米国財務省ウェブサイト) https://ticdata.treasury.gov/resource-center/data-chart-center/tic/Documents/mfh.txt 米国債保有高で4月も日本が首位、中国は12年ぶり低水準 (出所:ロイター) https://jp.reuters.com/article/usa-treasury-securities-idJPKBN2NW25Z Major foreign holders of U.S. treasury securities as of May 2022(in billion U.S. dollars) Source: Statistica https://www.statista.com/statistics/246420/major-foreign-holders-of-us-treasury-debt/ 日本が保有する米国債の一部を「利益確定」して、不景気やデフレで影響の大きい働く世代支援として財源に割り当てれば良いのにと思います。それこそ「投資家」としての行動ではないでしょうか。日本の上場企業におけるバランスシートのエンジニアリングにも、同じ考え方が当てはまります。投資家に自社株を保有してもらうためには、資本効率の高い経営(資本コストの低い経営)を実現する施策をアピールすることが必須になると考えます。 9月13日に国民民主党が「物価高から国民生活を守るための緊急経済対策」を取りまとめたとのニュースがありました。低所得の高齢者だけでなく、働く世代の納税者にも補助が行き渡る23兆円規模となる「インフレ手当」が提案されました。内容は10万円一律給付のほか、ガソリン・電気代値下げや消費税減税、児童手当の所得制限撤廃などだそうです。 日本政府(上場企業)には、国民(株主)が厳しい経済状況に見舞われたときのための投資家としての機動的な判断を期待したいです。積まれた米国債を今、円転し国民に利益を分配しなくていつするのでしょう。 IR担当者としては「積み上がったキャッシュの使途」について同様の問いを投資家から投げかけられた時、どう答えるべきかを想定しておくと良いかもしれません。(大石)

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「富士山型思考=英語、逆富士山型思考=日本語」を意識して使い分けよう

決算発表シーズンが始まりました。 IROの皆様は国内外の機関投資家とのディスカッションの機会も増えるかと思います。 外国人投資家との面談時には、この富士山のイラストのイメージの山頂(結論)から始め、次になだらかな稜線(結論を支えるファクト)をイメージしながらご説明をされると良いかもしれません。 弊社ではIROに特化した英語のプログラムを提供しています。 皆さんはIROという役職である前に、個人として、投資家に熱量のあるメッセージを伝えられていますか? 「それってどうやるの?」 「投資家の思考回路を理解したい!」 「より深いディスカッションをしてみたい。」 と思われる方は当方までご連絡ください。   WHOのCOVID-19の記者会見から「投資家に伝わる話し方」について考える 皆様は健康で安全にお過ごしのことと存じます。年初のブログで今年はすべてがリセットされる年回り、と書きました。それがCOVID-19の影響で現実の形になっています。 リモートワークなどで職場やチームから距離を置いて俯瞰するチャンスが今ではないでしょうか。 リーダーシップ、企業の価値、個人の働き方のあり方などを含めた「価値観の強制シフト」という新しい世界に突入したのを肌で感じています。 さて、今回のブログではWHOのCOVID-19の記者会見から「投資家に伝わる話し方」について書きたいと思います。 初めに「投資家に伝わる話し方」と書きましたが、投資家に限らず自分の考えを他者に伝えるときの効果的な方法、と前置きしたいと思います。 まずはこちらの動画をご覧ください。 WHOのDr. Michael Ryan (WHO Health Emergencies Programme) の3/13の日報記者会見の模様です。 https://www.youtube.com/watch?v=AqRHH6e-y6I同氏はWHOの非常事態対策チームのExecutive Directorであり、エボラ出血熱が発生したときに陣頭指揮を取られた方だそうです。 Dr. Ryanの話はわずか1分半ほど。ここでは彼がエボラ出血熱発生対策の現場で陣頭指揮を執られたときに学んだ「唯一かつ最大の教訓」が述べられます。 Michael Ryan (WHO) Executive Director at a daily press conference on 13 March 2020(出所: Youtube, WHO daily press briefing) 「エボラ出血熱の時の経験を今回のCOVID-19にどのように活かせますか?」との記者の質問への答え “Perfection is the enemy of the…

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IR担当者の役割、IR面談で本当にするべきことは何か

先日、こんな記事を目にしました。これを読んだ学生や転職希望者が「IRって大変そうだからやめておこう」と思われないことを願います。(笑) 「IRのつらいこと・大変なこと・苦労」(出所:キャリアガーデン)https://careergarden.jp/ir/taihen/ IR担当者の応援団長となるべくスタートした弊社もお蔭様で9月で7周年を迎えます。本当にIR担当者の助けになれているだろうか、お悩みを解決するサービスを提供出来ているかどうか、迷いながらも泥臭く考え抜いて参ります。今後もどうぞ宜しくお願い申し上げます。 IR担当者の役割、IR面談の意義とは何か。20年近く携わってきた当事者としてまとめてみると意外にもシンプルでした。 皆さんはどう思われたでしょうか。 投資家とのコミュニケーションに課題を感じられたときには、お気軽にご相談ください。方策をご一緒に考えていきましょう。(大石)

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国全体が思考停止に陥らないために。4つの課題と個人の行動

参議院選が公示されました。 参議院では目の前の現実にこだわることなく、任期6年から先のこの国の方向性についての政策議論が行われて然るべきだと思います。 しかし今回の選挙の争点は「物価高・円安・安保」と言われていて、参院選の機能が失われているように思えます。 日本の「将来の進路」はどうあるべきか。今の現実から考えると以下4つの課題があると思います。この4つは相互に密接に関係しています。 これらの議論の下地もなく、政策という名の方法論のもとだけで投票が行われるとすれば、国全体が「思考停止」の状態に陥っているとしか思えません。 今回の参院選を、「思考停止」に陥ることなく、国の行く末を考える貴重な機会ととらえるのはどうでしょう。 選択肢が限定的になってきている地球の未来に対して、国とか組織とかではなく、ひとりひとりが可能な限りサスティナブルに出来る国家運営を真剣に探すべきときに来ていると思います。(谷口) 4つの課題 1.脱炭素(地球温暖化) 2030年が地球存続の分岐点になる、ということはこのブログで何度も触れてきました。しかし現状、世界的に脱炭素の目標は後退しています。今回はお子さんでも理解できる分かりやすい資料を紹介します。「グラフィックで考えるSDGs」 (出所:Yahoo Japan) https://sdgs.yahoo.co.jp/special/global_warming.html 2.ロシアのウクライナ侵攻 ソビエト連邦の復活、産油国に成り下がってしまった自国の対欧米戦略として「21世紀のナポレオン」が起こした侵略です。ロシア産LNGと原油に頼って来た欧州、SDGs提唱者の国連の無力さなど、2030年を見据えると暗澹たる状況がそこにはあります。ロシアは日本の隣国であり、前回の終戦以来領土を占拠されていますが、平和条約すら未締結です。国が掲げる「安保」「憲法改正」の前にやるべきことはまだまだあるのでは、と思います。 (出所:NHK) https://www3.nhk.or.jp/.../20220623/k10013659821000.html 3.コロナ禍 日本では、「経済に影響を与えない程度の方策を継続」という現状です。世界で見ると累計感染者数:5億4千万人、死者:630万人、直近の新規感染者数:325万人。グローバル経済の要であったサプライチェーンの崩壊、物流の停滞による経済損失、物価の値上がり等、今後の地球での暮らし方にまだまだ大きく影響があると予想されます。 「コロナ禍における経済損失 国際比較」(出所: 内閣官房新型コロナウイルス感染症等対策推進室) https://www.covid19-ai.jp/.../2022.../articles/article322/ 4.自然災害 直近でも中国の大洪水、連日40℃を超える高温など気象庁の決めゼリフ「過去に経験したことのない」という事象が頻発しています。日本でも今夏とんでもない気象状況が起こる可能性があります。これも温暖化が引き起こすものという認識を強く持つべきだと思います。さらに、いつ大地震が起こってもおかしくはないという予報があります。しかし科学的な予測値で仮設をたてられても「地面が揺れたら」手の施しようはありません。 「防災情報のページ」(出所: 内閣府) https://www.bousai.go.jp/kyoiku/hokenkyousai/jishin.html

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ESGもワークライフバランスも二元論では語れない(前編)

Tesla CEOのイーロン・マスク氏の「まっとうな発言」に注目しています。 何かとお騒がせの同氏ですが、この件に関しては経営者として至極まっとうな人、という印象を受けました。 それは、同氏がリモートワークで会社に来なくなった社員に向けて「最低でも週40時間はオフィスで働くこと。オフィスに来なければ退職したと見なす」というものです。 (同調圧力の強い我が国ではそこまで出社しないというのはありえない現象ですね。) 同氏はさらに、「役職についている社員には特に出社を望む。自分はほとんど工場に住んでいるような状態だったから、そこで何が起きているのかを把握できた。 もしそれをしなかったらテスラ社は今ごろ倒産していた。」 ものづくりの会社は特にそうだと思いますが、チームで顔をつき合わせて議論を戦わせてこそ、今までにないものや技術が作られると思います。 IRの世界ににおいてもこの5-6月に一部の投資家が来日していますがまだ少数です。この秋に経営陣との直接面談が叶うと良いなと心待ちにしているようです。 投資家も経営者の表情や声のハリを見て自身の投資判断のリトマス紙にしていると何回か聞いたことがあります。 業績や数値には表れない、その経営者やIR担当者が持つ「エネルギーレベル」を確認しているのです。その意味でマスク氏の言う意味は非常に理にかなっていると思います。 次の投稿では「ESG投資と二元論」について書きます。(大石) 出所: Reuters "The more senior you are, the more visible must be your presence,” Musk wrote. “That is why I lived in the factory so much — so that those on the line could see me working alongside them. If I…

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テスラのケース・スタディーとESG投資のゆくえ

米S&Pダウ・ジョーンズ・インディシーズがESG(環境・社会・企業統治)スコアの高い300社超の米企業で構成する株価指数「S&P500 ESG指数」から電気自動車(EV)大手の米テスラを除外したことが明らかになりました。 イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)はESGは「とんでもない詐欺だ」とツイートし、石油大手エクソンモービルが構成銘柄であり続けていることを嘆くとともに、この動きの背後にある企業は「誠実さを失った」と主張しました。 テスラ、「S&P 500 ESG指数」から除外--マスク氏は反発 出所:CNET JAPAN  米S&P北米のESG指数を統括するMargaret Dorn氏は17日、テスラは複数の理由に基づき、構成銘柄から除外されたとブログ記事で説明しました。 Dorn氏は『テスラは、燃料駆動車を路上から取り除くことで一役買っているかもしれないが、より広いESGの視点で検討した場合、他社に後れをとっている』としました。 除外の理由として『フリーモントの工場における人種差別や悪質な労働条件に関する訴えのほか、自動運転支援システム「Autopilot(オートパイロット)」搭載車両に関する死傷事故の調査へのテスラ社の対応』などを挙げていることは興味深いと思いました。 つまり「E(環境)」のところで一定の社会的な貢献をみとめつつも、「S(社会・人権)」のところでの人道的な問題やトラブルへの同社の対応にダメ出しをした格好です。「E」を頑張っても「S」の項目でクリアしていなければ、ESG企業としては認定されない事例となりました。 画像は今回ESG指数から外された会社のリストです。バークシャー・ハサウェイ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、ホームデポ、アクセンチュアなど有名企業の名前があります。 今回のイーロン・マスク氏の「詐欺」発言には良くも悪くも注目が集まっています。ESG投資の「正当性」の議論のきっかけになったことは確かかもしれません。 時を同じくして、米SECがESG投資の統一基準採用に向けて動き始めました。 欧州では18項目の開示が義務化されました。 いよいよ「みせかけESG」排除の動きが始まりました。 詳しくは次回に。(大石)   出所:The (Re)Balancing Act of the S&P 500 ESG Index (Source: S&P Dow Jones Indices)

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データの解釈と投資家面談

ここに2つのデータを紹介します。 IR担当者としては、日本のインパクト投資の残高の急増基調、また米国の株式市場からの資本流出といったデータのタイムラグを念頭におきつつも、今後の資本市場の動向と投資家の行動との整合性を多面的に見極めていく必要があると思います。 一般財団法人社会変革推進財団が「日本におけるインパクト投資の現状と課題 2021 年度調査報告書」を発行しました。 インパクト投資残高 1 兆 3,000 億円超で前年度比 2.5 倍にまで急成長したとの報告がありました。 前年度のインパクト投資残高の 5,126 億円から 2.5 倍と急成長した要因として、大手都市銀行や運用機関のインパクト投資の新規参入による取組機関総数の増加(20 年度調査:20 社⇒21 年度調査:31 社(1.5倍増) )などの理由があると報告されています。 日本におけるインパクト投資の現状と課題_2021年度調査報告書 (出所:一般財団法人社会変革推進財団) 一方で、米国の資本市場に目を転じると利上げやインフレ懸念に加え、戦争による地政学的リスクや不透明感から投資家が株式から資金をイグジット(流出)しているというデータが示されています。 ブルームバーグの記事は、EPFRの取りまとめたデータによると2020年8月以来初めて320億ドルが株式市場から流失していると伝えています。 Thrashed Stock Bulls Look to Future and See Nothing But Bad News (出所:ブルームバーグ) 大石

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投資テーマと自社

IR担当者の皆さんは5月の黄金週間も関係なく、通常通りお仕事だと思います。 一息、こちらの動画をぜひご参照いただければと思います。 日本半導体産業、復活のシナリオとは!?【セカイ経済】(2022年4月27日)出所:テレ東BIZ この動画では半導体の専門家湯之上隆氏が業界の経緯と背景を分かりやすく解説してくれます。 これを観て、日本経済はこれまでとはべつのやり方でまだ回復が可能なのでは、という希望を持てました。 モチベーションが上がりました。先週お会いした投資家エンゲージメントの専門家の方から『日本株に投資する外国人投資家はターンアラウンド企業を「投資テーマ」で探している』と伺いました。 まさにその「投資テーマ」とこの動画の内容がぴったりだったので、ご覧いただければと思います。 決算発表明けには投資家面談が始まります。投資家がどんな目線で自社を見ているのかを考えたとき「投資テーマ」という軸で自社をとらえると議論が噛みあうのではないでしょうか。 投資家に直接「どんなテーマで見ているのか?」を伺ってみるのも一つです。 オンライン面談とはいえ、投資家との貴重なタッチポイントです。彼らから株式保有につながる情報を引き出すのもIR担当者の重要な役割ですね。(大石) キーワード: ・シェア拡大だけを追い求めない ・マイクロン広島工場EUV導入 ・国際的協働開発と半導体設計者の育成 ・ファブレス ・日本は知恵と情報で半導体業界で復活することが可能

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「東証の区分替えについての海外投資家のホンネ」をリスニング

「東証の区分替えについての海外投資家のホンネ」をリスニングしてみよう。 東証の区分替えから半月が経過しました。上場会社の負担は大きくなるばかりです。 しかし海外機関投資家の区分替えへの見方は冷ややかです。動画をご覧ください。 1回目:できれば、何も見ずメモも取らず最後までご覧下さい。 The Tokyo Stock Exchange has managed to ‘limbo dance under rock-bottom expectations’: Strategist (出所:CNBC) 2回目:次にこちらのポイントを読んでからもう一度動画をご覧下さい。 東証の区分替えは期待外れだった。 上場区分の条件をクリアした企業のみをプライムに区分すれば良かったのでは? プライムへの上場申請した企業のうち296社が上場基準を満たしていなかったにもかかわらず1社たりとも審査に落ちることなくプライム市場へ移行した。 上場基準を満たさない企業のうち基準クリアするまでに必要な期間として2-3年を挙げた企業が最も多かった。 そのうち1/4の企業は4年以上かかると答えた。 親子上場を行う企業はCGの基準が厳しいプライム市場へは行かずスタンダード市場に残った。 区分替えをしてもコーポレートガバナンスが担保されない結果となり、区分替えの意義に疑問が残った。 東証はこれをあくまでも「最初のステップ」を言うが、上場基準を満たすまでの猶予期間について明確な時間軸を発表していない。 スタンダード市場の株価パフォーマンスがプライム市場のパフォーマンスを上回るという逆転状況が起きている。 海外投資家から見ると区分替えは現時点では現状維持の様相。中途半端な結果となった。  いかがだったでしょうか。 2回目、ポイントを読んでから音声を聞いて頂くと、英語が聞き取れたところが多かったのではないでしょうか。 ひとつの理由としては、1回目に聞いた時はすべての情報を日本語に変換しようとして情報処理が追いつかないためです。 英語を聞くときにはすべてを聞かず、ポイントだけを聞くようにする訓練法があります。 このお作法を習得すると、外国人投資家とのコミュニケーションがスムーズにできるようになります。 「IR担当者向けオンライン英語プログラム」ではこのような訓練を採り入れ、実践で使えるようになります。 ご興味ある方はお気軽にデモレッスン(30分・無料)をお申込みください。(大石)

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海外機関投資家の来日取材が始動

「海外機関投資家の来日取材が始動しています」 https://www.mofa.go.jp/mofaj/ca/cp/page22_003380.html (出所:外務省のホームページ) 昨日「米国の投資家の来日取材が始まった」との情報が入りました。 外務省のホームページを確認したところ、指定国からの海外の渡航者で以下の条件を満たしていれば、3日間の待機期間を経て公共交通機関を使って宿泊施設まで移動が可能だそうです。 しかも、「ビジネスの目的」での来日の場合で「非指定国」からの入国の場合は待機期間は「無し」だそうです。 事前の書類手続きは大変だそうですが、待機期間なく投資家が日本に来れるようになったのは、心理的に大きいと思いました。 昨今ではリモートでビデオミーティングをすることが普通になりましたが、経営陣と直接会って投資判断をしたいというのが海外の機関投資家共通の意見のようです。 日本株の投資家はもともと親日家が多いためもあるかもしれません。いずれにしても、IRのコミュニケーションに以前のようなダイナミックな意見交換や活気が戻れば良いことだと思います。 一方で、6月の定時株主総会での株主提案のために来日する環境アクティビストも増えるとのことです。 環境対応が遅れている日本の企業は彼らにとって格好のターゲットとなりうるため、企業は一定の注意が必要とのことです。 資本市場の人の流れが戻ることは喜ばしいことですが、コロナ渦で何周かの遅れを取った日本経済と日本企業にとってはある意味戦々恐々とする「始まり」になるかもしれません。 IR担当者としても、いつもにも増して海外の投資家からの質問への入念な準備が必要になる時期かもしれません。(大石)

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IRトレンド

年の初めに寄せて
皆様にとって健やかで穏やかな一年になりますように。 本年もどうぞよろしくお願いいたします。 元日の地震で被災された皆様、ご家族の皆様に心よりお見舞いを申し上げます。 2024年は元日から日本にとって悲しいニュースが続きました。 このような天変地異を目の当たりにしたときの人間の無力さ、そして普段では当たり前に思っていることがどんなに有り難いことなのかを改めてかみしめています。 東京証券取引所では4日から商いが始まりました。 企業活動も本格的に始動しています。日本経済、ひいては日本企業にとって2024年はどんな年になるのでしょうか。 2023年からの流れから気をつけておきたいことがあります。 それはアクティビストの活動です。 インパクト投資家へのヒアリングで、今年少なくとも2社のアクティビストファンドが日本オフィスを開設すると聞きました。 アクティビストといってもファンド(投資家)だけとは限らずまったく業種の違う企業からの買収を仕掛けられることも可能性としてはあります。 その対策としてどのようなことを留意すべきなのかということが、IR戦略を考える上で鍵になってくると思われます。 どんなスタイルのアクティビストであれ、そもそも事業家ではないため、企業の経営陣とは「違う言語を話す人」と最初から位置づけるほうが良いと思います。 つまり議論の前提が違う。 真摯な対応をして、何度も面談を重ねても、結局理解し合えないことがままあります。 やはりここは「同じ言語を話し」アクティビストの手の内を熟知している、資本市場の専門家にアドバイスを請うのが最も理にかなっていると考えます。 その上で、買収防衛策を使うのか、撤廃するのか、資本政策の方向性をどうするかなど、経営の根幹に係わる部分での議論を社内で深めていく必要があると思います。 出所:Bloombergニュース  アクティビストに目を付けられる企業に共通している特長があります。それは開示が乏しいことです。一見矛盾しているように思えますが、情報開示をしてしまうと、その情報がまんべんなく公平に世の中に行き渡るため「潜在化していない情報の価値」がなくなるためです。開示を進めるほど、特に敵対的な買収を仕掛けようとするようなアクティビストへの対策となるのです。上場企業のIR担当者にネガティブなニュースほど、迅速な開示をお勧めするのはそのためです。 以下の円グラフは米国の上場企業に向けてアクティビスト投資家がどのような株主提案をしてきたかを示すものです。米国と日本企業を単純比較は出来ないものの、参考になるかもしれません。 The most frequent activist investor demand involved in 28% of campaigns since 2006 has been for companies to separate its business. 2006年からの統計によると、最も積極的なアクティビスト投資家のうち28%が企業に「事業の分離」を求めてきた。 アクティビスト投資家から要求された価値創造の施策(2006年以降、2,142社累計) Value creation demands from activist investors( 2,142 campaigns since 2006) Source: FACTSET,…
ESG投資は今どうなっていて、どこに向かっている?
以前「ESGは死んだ」という英国FTの記事を紹介しました。 そして、日本のメディアでも同様の報道がありました。 「ESGが消えるべき3つの理由 米で政治化、欧州は常識」(出所:2023年7月8日、日経新聞) 10月23日のFTで、改めて「ESGは死んだ」系の記事が紹介されています。タイトルを訳すると「ESGは救いようがない。早く消えて」といった感じでバッサリと切り捨てています。 ESG is beyond redemption: may it RIP by Aswath Damodaran (Source:October 23 2023 edition of FT Online.) 欧州、米国では2019年8月にDWS(ドイツ銀行の資産運用部門)、続いてブラックロックのサステナビリティ投資責任者による相次ぐ内部告発を皮切りに、欧米においては金融機関による相次ぐグリーンウオッシュ、企業によるバリューウオッシュがメディアに取り上げられています。ESGへの逆風が吹きまくっています。また不正をせず、ルールを守って真面目にコツコツやってきた投資家や企業の間にも「ESG疲れ」が見られます。 でも、ESGは不要だ、と切り捨ててしまって良いのでしょうか。ESGは今どうなっていて、どこに向かっているのでしょう。 IR担当者としては、グローバルにおけるESG投資の大まかな流れは常にアップデートしておくことをお勧めします。投資家との温度感がずれてしまうからです。インパクト投資家からのヒアリングを行い私の見解をまとめてみました。 まず、ESG不要論に飛びつく前に、なぜこのようなESG不信が起きたのか、要因を分解して考える必要があると思っています。 ①ESG投資は「死なない」:過去25年以上にわたって概念として進化を続けてきたESG。概念そのものが急に「死ぬ」、「消える」とは考えにくい。ESG投資は進化の途中にある。 ②ESGデータの疑義性:要因分解をすると、問題は格付機関が投資家に提供する「ESGデータ」の疑義性にあるのであって、ESGのコンセプトそのものが問題なのではない、ということです。問題は、大手格付会社のESGレーティングの計測方法は明らかにされていないことから、透明性・公平性の担保が相当難しい点にあります。ESGデータの疑義性と、ESG投資の原則を混合して議論するのはちょっと違うと思っています。 ③ESGデータの透明性を担保し、投資家が安心して投資判断に使えるようにする必要があり、misrepresentation (あたかもそこにあるかのごとく装うこと)が出来ないルール作りが急務であるということです。欧米では早くも業界ごとのESG開示に係るルールづくりなが進められています。 ④ESGファンドの選別が起こる 過去10年でグローバルの巨大投資家などが「環境や社会に良いことをしている」と旗を振って資金を集めた結果、世界の総資産の3分の1をサステナビリティ関連のマネーが占めています。短期的な利益獲得をねらうようなファンドが規制強化を嫌気し次々撤退していくのも、ある意味予想が出来たことかもしれません。 ⑤結論:淘汰を生き抜くのは「本物」だけ 上記のような流れから、私は現在ESG投資は、今曲がり角にあると考えます。淘汰のさなかにある、ということです。約半数のESGファンドが2年未満の設定をされており、順次繰り上げ償還されているとブルームバーグは伝えています。利益を確定したら早々に退散する(「なんちゃってESGファンド」とでも呼んでおきましょう)の数が新たに設定されるESGファンドを上回るとのこと。 今後、ESGを謳うファンドに課されるルールはさらに多くなることから(下記参照)それでもESGファンドとして残存する選択をしたサスティナブル投資家には志があるという証左になるのではないでしょうか。 志を持つ「本物」だけが淘汰を生き抜いていくと、大石は考えます。 ブーム去り繰り上げ償還相次ぐ、ESG投信に「異変」-設定2年未満も (出所:ブルームバーグ) [世界のESG規制]気候変動や人権など新ルールが2倍超に (出所:日経ビジネス)