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提言:ESG開示要請への対応について

「提言:ESG開示要請への対応について」 環境対応など、外部機関からの開示要請が増えています。 IR担当者の業務も相当に膨らんでおり最近はご相談を頂くことが多いです。 弊社の考えを「問題提起」と「提言」に分けて書きました。 IR担当者のみなさんのご意見はいかがでしょうか。(大石)

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問題提起:ESG開示要請への対応について

「提言:ESG開示要請への対応について」 環境対応など、外部機関からの開示要請が増えています。 IR担当者の業務も相当に膨らんでおり最近はご相談を頂くことが多いです。 弊社の考えを「問題提起」と「提言」に分けて書きました。 IR担当者のみなさんのご意見はいかがでしょうか。(大石)

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「このところの日本株高は楽観できない。むしろ臨戦態勢を整える時。」

最近メディアでは「バフェットも日本株式を評価」とか「外国人投資家の日本株への期待」「お墨付き」などの言葉を良く目にするようになりました。本当にメディアの報道を鵜呑みにして良いのでしょうか? 勿論、日本株に資金が入ってくるのは一般的には良いことなのですが、裏を返せば、投資家の期待に応えられない場合は失望売りから資金が一気に引いてしまうリスクを個人的に感じています。 最近投資家と話す機会を持ちました。そのなかで「なぜ日本株はここまで上昇を続けているのでしょう?それは実力に裏打ちされたものなのでしょうか?」と聞いたところ、意外な答えが返ってきました。 結論から言えば今の日本株式市場への資金流入は「消極的選択」の結果、という説明でした。中国政府の方針が国際社会のなかで孤立を強めるなか、ESGファンド、年金ファンドのアセットオーナーは、アセットマネージャーに大して中国市場からの投資マネーの引き上げを指示しているとのこと。興味深いのは、「アジア・エックス・チャイナ」つまり「中国株を除くアジア株」への投資が求められているのですが、中国株が抜けたあとのそれなりの受け皿が必要。結果として、他のアジアの投資先と比較しても地政学的リスクの低い「日本株」が資金の受け皿になっているとのことでした。 今、年金ファンドなどが求めている商品は「アジア・エックス・チャイナ・インクルーディング・ジャパン」つまり「中国株を抜いて、日本株を入れたアジア株」ファンドだそうで、既存のファンドは存続しつつも各社こうした新たなファンド組成を急いでいるとのことです。 こうした動向に加え、東証がPBR1倍未満のプライム上場企業に向けて出したガイダンスにより、内外投資家に日本企業が「とてもお安い」ことがアナウンスされてしまったわけです。いわゆる物言う投資家、アクティビスト達がこれを見逃す訳がありません。 以上の2点から、私は現在の株高、日本株式市場への資金の流入は決してポジティブとは言い切れない。むしろバランスシートにキャッシュをたくさん留保している日本企業がアクティビストに狙われやすい状況を作りだしてしまっている、と考えています。 この対策としては「対話型」、いわゆるエンゲージメント投資家との連携を取ることが、ひいては会社を守ることに繋がるのではないかと考えています。IR担当者として何かしらの対策を打たなければ、とお考えでしたら弊社にご連絡ください。具体的な提案を致します。 (大石)

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ESG投資最新動向:日本企業が取るべき対策とは?

ESG投資最新動向:ESG投資を謳う資金のインチキが常態化。投資家は距離を置く動き。 日本企業が取るべき対策とは? 多くの主要機関投資家の投資先は気候変動の立場からは逸脱していることが判明」 (出所:Missed Pitch) Many leading asset managers’ investment practices deviate from climate positioning. Source: “Missed Pitch” analysis report, Carbon Tracker Initiative ESG投資と一言で言っても、日本と世界ではその位置づけがずいぶん乖離しています。以下に整理しました。 (1)ESG投資のこれまでの動き、 (2)現在の状況 (3)日本の上場企業のCEO、IROが考えるべき重要論点と対策について (1) ESG投資これまでの動き:ESG投資の欺瞞姓に対する告発が相次ぎその公正性、透明性が問題になりました。 2021年にDWS(ドイツ銀行グループ)とブラックロックのESGサステイナビリティー投資の前責任者が相次いで内部告発を行いました。このあたりから欧米ではESG投資の信憑性に対する疑義・反発が強くなっていきました。内部告発の内容からも判るように。サステイナブルであるという「偽りのラベル」を貼ったファンド(資金)を売る金融機関が次々と顧客(アセットオーナー)をミスリードして来た経緯があります。 2021年9月24日の投稿:DWS(ドイツ銀行グループ)の元ESG運用責任者による内部告発について。 2021年8月27日の投稿:ブラックロックのサステナブル投資の前責任者による内部告発について。 (2)2023年5月現在の状況 サステイナビリティー投資への疑義がアセットオーナーの間で持ち上がってから約2年。現在のESG投資業界を表現するならば「混乱」と言って良いと思います。5月4日発行されたCarbon Tracker Initiatives「Missed Pitch」の分析レポートによると、35の世界のトップ金融機関から構成される、ネット・ゼロ・アセットマネージャーイニシアチブ(NZAM)のうち、25社が本来謳っているはずの気候対策から「逸脱した企業」へ投資していることを明らかにしています。パリ協定の目標とは合致していないと評価された石油・ガス企業の15社合わせて45億ドル以上の投資を保有していると指摘します。添付した画像は、運用資産総額に占める石油・ガス関連企業への投資額ベースのトップ35ランキングです。NZAMメンバーはYesでハイライトされています。これを見てどう思いますか? (3)日本の上場企業のCEO、IROが考えるべき重要論点を以下のように整理しました。 ESG格付けの意義・信頼性。グリーンウォッシュが横行するなか、アセットオーナー、マネージャーは銘柄選択に苦心しています。同時に「サステイナビリティー」と謳う投資からは距離を置くようになっています。 今後予想される、ESG格付、サステイナビリティー投資の形骸化の加速 日本企業が取るべき対策は、①経営者が自ら投資家1人1人とつながり対話すること、②「自社独自」のレーティングで「変化率・改善率」を時系列で開示することです。これは既存のESGデータへの検証として機能するからです。 (大石)

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「上場企業、持続可能性格付けに年間最大50万ドル投資」

「サステナビリティー・コンサルティング会社ERMの報告書によると、格付けの正確性については、企業が提供したデータが誤って分析されているとの不満が多く、調査対象104社の3分の1近くが格付けの正確性に対する信頼度は「低い」「非常に低い」と回答した。ただ、95%の企業が投資家からの要望があるため格付けを取得していると答えた。」(出所:ロイター) 投資家からの開示要望のあるサステイナビリティー格付関連費用に企業がどれくらいお金を使っているのかというと上場企業1社あたり425,000米ドル(約6,000万円)との調査結果が出ました。格付関連費用とはつまりTCFDなどの要件に見合う資料(ESGデータ開示、統合報告書の作成など)を指しています。 「Ask your investor」(投資家に聞いてみる) 日本企業の経営陣、IR担当者としては現在グローバル資本市場で起きていることを念頭に「ESGデータの開示」に対しての自社独自のスタンスを決める必要があります。 自社のスタンスといっても何を開示するべきなのかが分らない。そういう場合は投資家と話すしかありません。データは投資家が投資に踏み切るかどうかを判断するのに使うものです。 それには投資家がどんなデータを探しているのか、そのデータは社内に有るのか、無いのかをまずは洗い直す必要があるかもしれません。外部のプロフェショナルの手を借りるのは投資家が何を求めているのかを把握した後ではないでしょうか?投資におけるリスク(債務不履行可能性 )を 分りやすく投資家に示し投資判断を助けることが格付の 本来の目的のはずでした。 ところが今は、このような混沌とした時こそぜひ「Ask your investor」(投資家に聞いてみる)を実践されることをお薦めします。 まもなく決算発表の時期を迎えます。次のIR面談では「どんなデータがあると投資判断や保有がしやすくなりますか?」という質問から投資家との議論を深めてみることをお薦めしたいと思います。 50万ドルもかかりませんし、トライしてみない手はないと思うのですがいかがでしょう。(大石)

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プライム上場の維持、東証の本気度と企業価値の関係性

「プライム上場維持の猶予期間は3年+1年。区分替えにまつわる東証の本気度と企業価値の関係性」 2022年4月の東証区分見直し当初は東証一部の企業の多くが基準を満たさないままにプライム市場に「移動」しただけの意義に乏しいものに終わった、というグローバル市場からの厳しい評価は記憶に新しいですが、ここに来て新しい動きがありました。 2023年1月30日に東証が発表した資料「論点整理を踏まえた今後の東証の対応」では、経過措置経過後の具体的な取り扱いについて発表しています。 それによると経過措置は2022年4月の市場再編を起点に経過措置3年(2025年まで)プラス、改善期間1年=最大で4年までと経過措置のデッドラインが決まりました。 経過期間プラス改善期間を経て不適合だった企業は監理整理銘柄となり、その後は上場廃止となります。   整理銘柄指定期間の見直し(出典:東証) 一方経過措置企業は、新しい制度が始まってから6カ月間は審査なしでスタンダードに移れるようにするため、現在プライムの基準に適合していない269社のうち約半数ほどがスタンダードに自主的に移動するのではとみる向きもあります。 プライム上場適合の流動性の基準をクリアするため、各社株式の持合い解消やオーナー株の売却などを進めていると聞きます。 株式市場全体としては好ましいことかと思いますが、各社プライム上場維持の意義をもう一度考え、本気度を試されることになりました。 ところで、このニュースを海外のソースで探したのですがほとんど報道されていません。東証の売買代金の60%以上を占める海外投資家からの関心が薄いことのほうが怖いことだと思いました。 これからはプライムに適合した企業とそうでない企業の企業価値の「差」が顕著になるのでしょうか。グローバル市場はどのように評価するか見守りたいと思います。 弊社からIR担当者に提案したいのは、欧米の格付機関のESGレーティングを取りに行くことを目標にするのではなく、上場市場がプライムやスタンダードのいかんに関わらず、自社の企業価値の源泉を投資家にわかりやすく日・英で明文化することです。 (大石) <出典> 東証の暫定組、猶予2026年3月まで 上場維持へ改革急務(出所:日経新聞) https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB255QG0V20C23A1000000/ 論点整理を踏まえた今後の東証の対応(出所:東証) https://www.jpx.co.jp/news/1020/fi1l5r00000011qu-att/fi1l5r00000011uc.pdf TSE Transition Period to End in March 2025 https://www.nippon.com/en/news/yjj2023012501047/ Tokyo Pushes to Reform Its $6.5 Trillion Stock Market.…

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今こそ円安を利用して国内製造回帰へ

「円安の続行。今こそ円安を利用して国内製造へ回帰するとき。日本の製造企業を応援したい。」 日銀オペでの介入が続いていますが継続的なインパクトは見られず、引き続き円安が続行中です。なかには円安はこのまま160~170円レンジまで進むと見るストラテジストもいます。極端な円安・円高は好ましくありません。一方で円安に対して日本企業の約半数が否定的なコメントを寄せる集計もあるなかで、円安はデメリットばかりではないということに注目したいところです。 今後さらに円安が進むと見られていますが、これが日本の本来の「実力」なのかもしれないと考えたりします。そもそも今まで円は高く評価されすぎて来たのでは?ということです。これまで海外勢が高くて買えなかった日本製品。中国製など安い汎用品に消費が流れていました。でも今なら円安の恩恵を受け高品質な商品をリーズナブルに買うことができる。引用したリンクは越境e-コマースの取引高が円安以降大幅に伸びていると説明しています。日本の製造業にとって円安の今こそ、製造拠点やリソースを国内に戻し、空洞化が進んだ「失われた30年」を取り戻すチャンスなのではないでしょうか。日本企業には円安の恩恵を利用するようなしなやかな経営戦略で頑張ってもらいたいと思います。 弊社は日本企業と伴走しながら海外のバリュー投資家向けに貴社の本来の企業価値を伝えるIR支援を提供しています。(大石) 歴史的円安、企業に明暗 輸出に恩恵、内需は打撃(出所:Jijiドットコム) https://www.jiji.com/jc/article?k=2022102600748&g=eco 円安メリットを活かせるか 中小企業の「越境EC」に注目 (出所:Yahooニュース) https://news.yahoo.co.jp/byline/yamaguchikenta/20221017-00319923 Japan to curb electricity costs amid weak yen, recession risks, PM says (Reuter news, Source: Investing.com) https://www.investing.com/news/economy/important-for-japan-to-link-weak-yen-to-tourism-recovery-pm-kishida-says-2905235 Japan's cross-border e-commerce booms on cheaper yen (Nikkei news, Source FMT) https://www.freemalaysiatoday.com/category/business/2022/10/27/japans-cross-border-e-commerce-booms-on-cheaper-yen/

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企業格付、ESGランキングでは何をどのように計測しているのか

「企業格付、ESGランキングでは何をどのように『計測』しているのかを考えたことがありますか?」 こちらは提携パートナーのTBLIグループの動画です。 ”What is TBLI Better World Prize and how will help stop Greenwashing?” 投資家がESG投資を行うにあたり信頼できる計測システムは本当にあるのか?あるとすればどのシステムが最も理にかなっているのか?投資家やESGコミュニティー関係者に投票してもらう主旨の動画です。このアンチテーゼによって、投資家や企業は従来の格付やESGランキングの本当の意義は何なのかを考えずには居られないでしょう。企業分析において世界にはいくつもの会計基準、価値認識基準が存在します。果たしてそれらは企業価値や成長性を公平にあらわしていると言えるでしょうか。世界的石油会社の長期債の格付が最上位のAAAから1段階下げたAA-(ダブルAマイナス。マイナス=弱含み。)だったり、後を絶たないグリーンウォッシュのニュースを見れば答えは明らかです。投資家にとってクリーンな投資先の選別のためには、透明性・公平性の高い計測システムが必須ということになります。 東証のプライム市場への移行にともない日本企業の経営陣はESG開示の「ベストアンサー」を模索しています。 ここで弊社が提案したいのは、既存の格付やESGランキングとは別に「自社の進捗率の開示を定点観測的に行う」ことです。(例:去年から改善した点や変化率を示すこと。)大企業のように潤沢なリソースがない中小規模の企業にもこれならすぐに実践できるはず。その際に指針となる資料があります。Dr.ケンダール博士が率いるFuture Fitというデータサイエンティスト集団が作成したビジネスベンチマークです。ありがたい事に日本語のガイドブックに実践例などが掲載されていて、リンクから無料でダウンロードすることができます。 「Future-Fit ビジネス・ベンチマーク」の基礎と特長」 (出所:BUSINESS CONSULTANTS, INC. https://www.bcon.jp/column/list/future-fit_basics-features/ Future Fit Co-Founder & CEO Dr. Geoff Kendall https://futurefitbusiness.org/our-people/dr-geoff-kendall/ IR担当者からESG開示と言われても「雲を掴むような話に思えて何から始めたら良いか判らない」というご相談を受けることがあります。そんなときは既存のものさしから一旦離れて、自社の企業価値を計るときに何をどのように計測したら投資家に賛同してもらえるか、ということから社内での議論をスタートさせるのはいかがでしょうか。私はそれぞれの企業が独自のやり方で投資家に進捗の開示をすれば良いと思います。なぜなら投資家も既存の格付けやランキングを鵜呑みに出来ない事はすでに理解しているからです。(大石) 投資家へのアクセスについてお困りの際は弊社にご相談ください。 *弊社はTBLIグループの日本における包括パートナーです。

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円安のメリットを最大限に。積み上がったキャッシュの使途は明確に。

「円安のメリットを最大限に使えば日本国のバランスシートを効率的にエンジニアリングできる。上場企業にも同じ発想が当てはまります」 本日ドルー円レートが一時145円を付けたとの速報が入ってきました。 午後3時のドルは一時145円台、24年ぶり円安水準 日銀緩和維持で(出所:ロイター) https://jp.reuters.com/article/tokyo-forex-idJPKBN2QN0CL 日本経済が回復しないのは円安とデフレが原因、とマスコミやTV番組は「解説」をしています。果たして本当にそうなのかと調べてみると、マスコミの報道は必ずしも正しくはないと判ります。6月17日のブログでデフレ下にも関わらず実際には年率GDPが上昇していることを書きました。以下の統計を見ても、日本は前回調査の0.6%から1.6%に上昇しています。 GDP Annual Rate Growth for G20 (Source: TRADING ECONOMICS) https://tradingeconomics.com/country-list/gdp-annual-growth-rate ところで日本の米国債の保有高は世界1位ということをご存じでしょうか。2022年5月時点で日本の米国債保有額は1兆1,396億ドルで、米国債全体の17.51%を占めます。(Source: Treasury International Capital, US Treasury Department 米国財務省ウェブサイト) https://ticdata.treasury.gov/resource-center/data-chart-center/tic/Documents/mfh.txt 米国債保有高で4月も日本が首位、中国は12年ぶり低水準 (出所:ロイター) https://jp.reuters.com/article/usa-treasury-securities-idJPKBN2NW25Z Major foreign holders of U.S. treasury securities as of May 2022(in billion U.S. dollars) Source: Statistica https://www.statista.com/statistics/246420/major-foreign-holders-of-us-treasury-debt/ 日本が保有する米国債の一部を「利益確定」して、不景気やデフレで影響の大きい働く世代支援として財源に割り当てれば良いのにと思います。それこそ「投資家」としての行動ではないでしょうか。日本の上場企業におけるバランスシートのエンジニアリングにも、同じ考え方が当てはまります。投資家に自社株を保有してもらうためには、資本効率の高い経営(資本コストの低い経営)を実現する施策をアピールすることが必須になると考えます。 9月13日に国民民主党が「物価高から国民生活を守るための緊急経済対策」を取りまとめたとのニュースがありました。低所得の高齢者だけでなく、働く世代の納税者にも補助が行き渡る23兆円規模となる「インフレ手当」が提案されました。内容は10万円一律給付のほか、ガソリン・電気代値下げや消費税減税、児童手当の所得制限撤廃などだそうです。 日本政府(上場企業)には、国民(株主)が厳しい経済状況に見舞われたときのための投資家としての機動的な判断を期待したいです。積まれた米国債を今、円転し国民に利益を分配しなくていつするのでしょう。 IR担当者としては「積み上がったキャッシュの使途」について同様の問いを投資家から投げかけられた時、どう答えるべきかを想定しておくと良いかもしれません。(大石)

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「富士山型思考=英語、逆富士山型思考=日本語」を意識して使い分けよう

決算発表シーズンが始まりました。 IROの皆様は国内外の機関投資家とのディスカッションの機会も増えるかと思います。 外国人投資家との面談時には、この富士山のイラストのイメージの山頂(結論)から始め、次になだらかな稜線(結論を支えるファクト)をイメージしながらご説明をされると良いかもしれません。 弊社ではIROに特化した英語のプログラムを提供しています。 皆さんはIROという役職である前に、個人として、投資家に熱量のあるメッセージを伝えられていますか? 「それってどうやるの?」 「投資家の思考回路を理解したい!」 「より深いディスカッションをしてみたい。」 と思われる方は当方までご連絡ください。   WHOのCOVID-19の記者会見から「投資家に伝わる話し方」について考える 皆様は健康で安全にお過ごしのことと存じます。年初のブログで今年はすべてがリセットされる年回り、と書きました。それがCOVID-19の影響で現実の形になっています。 リモートワークなどで職場やチームから距離を置いて俯瞰するチャンスが今ではないでしょうか。 リーダーシップ、企業の価値、個人の働き方のあり方などを含めた「価値観の強制シフト」という新しい世界に突入したのを肌で感じています。 さて、今回のブログではWHOのCOVID-19の記者会見から「投資家に伝わる話し方」について書きたいと思います。 初めに「投資家に伝わる話し方」と書きましたが、投資家に限らず自分の考えを他者に伝えるときの効果的な方法、と前置きしたいと思います。 まずはこちらの動画をご覧ください。 WHOのDr. Michael Ryan (WHO Health Emergencies Programme) の3/13の日報記者会見の模様です。 https://www.youtube.com/watch?v=AqRHH6e-y6I同氏はWHOの非常事態対策チームのExecutive Directorであり、エボラ出血熱が発生したときに陣頭指揮を取られた方だそうです。 Dr. Ryanの話はわずか1分半ほど。ここでは彼がエボラ出血熱発生対策の現場で陣頭指揮を執られたときに学んだ「唯一かつ最大の教訓」が述べられます。 Michael Ryan (WHO) Executive Director at a daily press conference on 13 March 2020(出所: Youtube, WHO daily press briefing) 「エボラ出血熱の時の経験を今回のCOVID-19にどのように活かせますか?」との記者の質問への答え “Perfection is the enemy of the…

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IR担当者の役割、IR面談で本当にするべきことは何か

先日、こんな記事を目にしました。これを読んだ学生や転職希望者が「IRって大変そうだからやめておこう」と思われないことを願います。(笑) 「IRのつらいこと・大変なこと・苦労」(出所:キャリアガーデン)https://careergarden.jp/ir/taihen/ IR担当者の応援団長となるべくスタートした弊社もお蔭様で9月で7周年を迎えます。本当にIR担当者の助けになれているだろうか、お悩みを解決するサービスを提供出来ているかどうか、迷いながらも泥臭く考え抜いて参ります。今後もどうぞ宜しくお願い申し上げます。 IR担当者の役割、IR面談の意義とは何か。20年近く携わってきた当事者としてまとめてみると意外にもシンプルでした。 皆さんはどう思われたでしょうか。 投資家とのコミュニケーションに課題を感じられたときには、お気軽にご相談ください。方策をご一緒に考えていきましょう。(大石)

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データの解釈と投資家面談

ここに2つのデータを紹介します。 IR担当者としては、日本のインパクト投資の残高の急増基調、また米国の株式市場からの資本流出といったデータのタイムラグを念頭におきつつも、今後の資本市場の動向と投資家の行動との整合性を多面的に見極めていく必要があると思います。 一般財団法人社会変革推進財団が「日本におけるインパクト投資の現状と課題 2021 年度調査報告書」を発行しました。 インパクト投資残高 1 兆 3,000 億円超で前年度比 2.5 倍にまで急成長したとの報告がありました。 前年度のインパクト投資残高の 5,126 億円から 2.5 倍と急成長した要因として、大手都市銀行や運用機関のインパクト投資の新規参入による取組機関総数の増加(20 年度調査:20 社⇒21 年度調査:31 社(1.5倍増) )などの理由があると報告されています。 日本におけるインパクト投資の現状と課題_2021年度調査報告書 (出所:一般財団法人社会変革推進財団) 一方で、米国の資本市場に目を転じると利上げやインフレ懸念に加え、戦争による地政学的リスクや不透明感から投資家が株式から資金をイグジット(流出)しているというデータが示されています。 ブルームバーグの記事は、EPFRの取りまとめたデータによると2020年8月以来初めて320億ドルが株式市場から流失していると伝えています。 Thrashed Stock Bulls Look to Future and See Nothing But Bad News (出所:ブルームバーグ) 大石

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IRトレンド

年の初めに寄せて
皆様にとって健やかで穏やかな一年になりますように。 本年もどうぞよろしくお願いいたします。 元日の地震で被災された皆様、ご家族の皆様に心よりお見舞いを申し上げます。 2024年は元日から日本にとって悲しいニュースが続きました。 このような天変地異を目の当たりにしたときの人間の無力さ、そして普段では当たり前に思っていることがどんなに有り難いことなのかを改めてかみしめています。 東京証券取引所では4日から商いが始まりました。 企業活動も本格的に始動しています。日本経済、ひいては日本企業にとって2024年はどんな年になるのでしょうか。 2023年からの流れから気をつけておきたいことがあります。 それはアクティビストの活動です。 インパクト投資家へのヒアリングで、今年少なくとも2社のアクティビストファンドが日本オフィスを開設すると聞きました。 アクティビストといってもファンド(投資家)だけとは限らずまったく業種の違う企業からの買収を仕掛けられることも可能性としてはあります。 その対策としてどのようなことを留意すべきなのかということが、IR戦略を考える上で鍵になってくると思われます。 どんなスタイルのアクティビストであれ、そもそも事業家ではないため、企業の経営陣とは「違う言語を話す人」と最初から位置づけるほうが良いと思います。 つまり議論の前提が違う。 真摯な対応をして、何度も面談を重ねても、結局理解し合えないことがままあります。 やはりここは「同じ言語を話し」アクティビストの手の内を熟知している、資本市場の専門家にアドバイスを請うのが最も理にかなっていると考えます。 その上で、買収防衛策を使うのか、撤廃するのか、資本政策の方向性をどうするかなど、経営の根幹に係わる部分での議論を社内で深めていく必要があると思います。 出所:Bloombergニュース  アクティビストに目を付けられる企業に共通している特長があります。それは開示が乏しいことです。一見矛盾しているように思えますが、情報開示をしてしまうと、その情報がまんべんなく公平に世の中に行き渡るため「潜在化していない情報の価値」がなくなるためです。開示を進めるほど、特に敵対的な買収を仕掛けようとするようなアクティビストへの対策となるのです。上場企業のIR担当者にネガティブなニュースほど、迅速な開示をお勧めするのはそのためです。 以下の円グラフは米国の上場企業に向けてアクティビスト投資家がどのような株主提案をしてきたかを示すものです。米国と日本企業を単純比較は出来ないものの、参考になるかもしれません。 The most frequent activist investor demand involved in 28% of campaigns since 2006 has been for companies to separate its business. 2006年からの統計によると、最も積極的なアクティビスト投資家のうち28%が企業に「事業の分離」を求めてきた。 アクティビスト投資家から要求された価値創造の施策(2006年以降、2,142社累計) Value creation demands from activist investors( 2,142 campaigns since 2006) Source: FACTSET,…
ESG投資は今どうなっていて、どこに向かっている?
以前「ESGは死んだ」という英国FTの記事を紹介しました。 そして、日本のメディアでも同様の報道がありました。 「ESGが消えるべき3つの理由 米で政治化、欧州は常識」(出所:2023年7月8日、日経新聞) 10月23日のFTで、改めて「ESGは死んだ」系の記事が紹介されています。タイトルを訳すると「ESGは救いようがない。早く消えて」といった感じでバッサリと切り捨てています。 ESG is beyond redemption: may it RIP by Aswath Damodaran (Source:October 23 2023 edition of FT Online.) 欧州、米国では2019年8月にDWS(ドイツ銀行の資産運用部門)、続いてブラックロックのサステナビリティ投資責任者による相次ぐ内部告発を皮切りに、欧米においては金融機関による相次ぐグリーンウオッシュ、企業によるバリューウオッシュがメディアに取り上げられています。ESGへの逆風が吹きまくっています。また不正をせず、ルールを守って真面目にコツコツやってきた投資家や企業の間にも「ESG疲れ」が見られます。 でも、ESGは不要だ、と切り捨ててしまって良いのでしょうか。ESGは今どうなっていて、どこに向かっているのでしょう。 IR担当者としては、グローバルにおけるESG投資の大まかな流れは常にアップデートしておくことをお勧めします。投資家との温度感がずれてしまうからです。インパクト投資家からのヒアリングを行い私の見解をまとめてみました。 まず、ESG不要論に飛びつく前に、なぜこのようなESG不信が起きたのか、要因を分解して考える必要があると思っています。 ①ESG投資は「死なない」:過去25年以上にわたって概念として進化を続けてきたESG。概念そのものが急に「死ぬ」、「消える」とは考えにくい。ESG投資は進化の途中にある。 ②ESGデータの疑義性:要因分解をすると、問題は格付機関が投資家に提供する「ESGデータ」の疑義性にあるのであって、ESGのコンセプトそのものが問題なのではない、ということです。問題は、大手格付会社のESGレーティングの計測方法は明らかにされていないことから、透明性・公平性の担保が相当難しい点にあります。ESGデータの疑義性と、ESG投資の原則を混合して議論するのはちょっと違うと思っています。 ③ESGデータの透明性を担保し、投資家が安心して投資判断に使えるようにする必要があり、misrepresentation (あたかもそこにあるかのごとく装うこと)が出来ないルール作りが急務であるということです。欧米では早くも業界ごとのESG開示に係るルールづくりなが進められています。 ④ESGファンドの選別が起こる 過去10年でグローバルの巨大投資家などが「環境や社会に良いことをしている」と旗を振って資金を集めた結果、世界の総資産の3分の1をサステナビリティ関連のマネーが占めています。短期的な利益獲得をねらうようなファンドが規制強化を嫌気し次々撤退していくのも、ある意味予想が出来たことかもしれません。 ⑤結論:淘汰を生き抜くのは「本物」だけ 上記のような流れから、私は現在ESG投資は、今曲がり角にあると考えます。淘汰のさなかにある、ということです。約半数のESGファンドが2年未満の設定をされており、順次繰り上げ償還されているとブルームバーグは伝えています。利益を確定したら早々に退散する(「なんちゃってESGファンド」とでも呼んでおきましょう)の数が新たに設定されるESGファンドを上回るとのこと。 今後、ESGを謳うファンドに課されるルールはさらに多くなることから(下記参照)それでもESGファンドとして残存する選択をしたサスティナブル投資家には志があるという証左になるのではないでしょうか。 志を持つ「本物」だけが淘汰を生き抜いていくと、大石は考えます。 ブーム去り繰り上げ償還相次ぐ、ESG投信に「異変」-設定2年未満も (出所:ブルームバーグ) [世界のESG規制]気候変動や人権など新ルールが2倍超に (出所:日経ビジネス)